2009年04月04日

善光寺 勝手な考察  8,宿坊の役割

 企業の組織は機能別・営業地域別に形成されています。善光寺は無宗派で多くの人を集めることが出来たことが特徴でありますが、その善光寺経営にはそれを支える組織が存在します。その組織は天台宗・大勧進を中心とする35院と、浄土宗・大本願を中心とする14坊の計39院坊によって支えられています。


(善光寺の宿坊:JR長野駅案内所のパンフ)

 善光寺境内には39もの宿坊があります。それぞれが独立した寺院ですが、善光寺一山として各住職が善光寺のの行事執行の重要な役割を果たしています。参拝客の宿泊も受け入れていて、貴重な仏像や宝物を拝観できたり、翌朝の「お朝事」や「お数珠頂戴」に参列できたり、宿坊によっては精進料理を頂けたりと、充実した善光寺参りをして頂けます。


(集客マシーンとしての役割)

 善光寺の宿坊は、全国を郡別に各宿坊に割り当てそれを持ち郡といって、宿坊の住職がその持ち郡に出向き、善光寺参拝を求めてきました。日経記事(2009.4.3)には「善光寺の参拝客は、江戸時代なら「講」と呼ばれる地域ごとに組織された宗教団体、戦後は列車やバスのツアー旅行へと形態を変えてきた。集団で訪れる参拝者を住職らが引率し、善光寺の歴史や信仰を伝えてきた」と宿坊の役割を伝えています。


(時代の変化への対応)

 80%が個人旅行という時代の変化で、現代の個人客を善光寺を案内し、信仰を伝える仕掛けに新たな仕掛けが求められていることも事実です。大量生産大量消費商品を店頭に並べていれば売れた時代から、個々のお客様のライフスタイルに合った商品を提案する営業に変化している一般企業と、善光寺経営も同じ悩みを抱えている。


(儲ける仕掛け)

 いずれにしても、善光寺経営では「信じて頂ける者」を組織だって整備してきたことは見習う点は多い。地域別に責任領域を割り当てられた宿坊、全国の信者宅に阿弥陀仏を背負い善光寺信仰を広げた善光寺聖、信者を集め善光寺参拝を企画する講の存在、一年通して行事と仏縁を頂ける善光寺自体の仕掛け・物語などなど、利用客に合わせて仕掛けを増やしているテーマパークの原点があるような気がします。


(明日からご開帳)

 明日4月5から5月31日の二ヶ月間、七年に一度の善光寺ご開帳であります。さまざまな「遠くとも 一度は詣れ善光寺 救け給うぞ 弥陀の誓願」への仕掛けで信心とビジネスのヒントを感じて頂ければ幸いであります。宗教集団の「人の悩みを救う」という霊的な方法論はこれからのビジネスに役立つと考えます。



Posted by 税理士の星野 at 06:04│Comments(0)
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