2008年02月22日
会員スピーチ 経営計画
昨日、長野ライオンズクラブ定例会会員スピーチの順番が私でしたので、下記の原稿で40分間話しをさせて頂きました。
テーマ 金融機関が求める経営計画書
~会社の生き残りをかけた経営計画書の作成方法~
参考資料:八十二銀行融資部提供資料、TKC全国会
時代背景
日本の人口は昭和20年8千万人、団塊世代等の誕生で4千万人増加、消費者人口・生産者人口が増え、経済は右肩上がり時代でした。しかし、今人口も1億2千万人から減少時代になり、団塊の世代は生産人口でなく、消費金額の低い年金生活者に移行します。経済は右肩下がり時代、自社のパイが縮小することは自明の理。そんな経営環境の厳しい変化に対処しながら、多額の退職金積立を実施するためには営業利益20%実現への経営体質に転換する経営計画が求められます。
経営計画書は銀行の態度を変える
・銀行は金を貸すのが商売。
・一番の心配事は、貸すことでなく、返してもらえる返済能力、お金を稼げるか。
・銀行用に粉飾しているかもしれない決算書より、毎月の資金繰り表が頼り。
・嫌いな社長さんは、何を考え、将来どうしようと考えているかサッパリ分からない人。
・経営計画書が提出され、実績値との対比を毎月報告頂き、社員に尋ねても自分の計画値を知っている会社だけが安心できる。
企業の活性化支援が銀行の使命
・地方銀行の格付けは、地元経済の如何で上下、長野県経済の低調でランクダウン
・長野県は赤字申告割合の全国ワーストワン、20%利益計上、80%赤字企業
・そこで、企業支援を最重点施策とし、長野県経済の再生をめざして、業績悪化に悩む
・要注意先・破綻懸念先企業(取引先の30%程)に、経営改善計画書の作成を支援する。
経営革新へのステップ
新たな事業展開を見つけるために、自社の事業を見直し、成長の「種」を探します。
SWOT分析:
自社の強みと弱みを認識し、環境にある機会と脅威を明らかにする。ポイントは、弱みの中に潜む強みを見つけ出すひらめきを期待
戦略マップ :
・機会に強みをぶっけて積極攻勢の手段を考える。
・脅威については差別化戦略を考える。
・機会があるが自社に弱みもある場合は、弱みの改善を考える。
・脅威と弱みの合致ポイントは撤退も視野に入れる。
・最終(戦略)ビジョンを明示する。
・目的地まで到達できるかを道筋の検証を通して地図の作成を行う。
バランス・スコアカード:
・4つの視点ごとに戦略目標を達成するための重要成功要因を定める
(財務の視点・顧客の視点・業務プロセスの視点・人材と変革の視点)
・重要成功要因の達成度を測定できる指標を定める。
・達成時期を定める。
経営革新の目標は
・中小企業経営革新支援法では、
「付加価値額」or「一人当の付加価値額」と「経常利益」の伸び率を求める
3年計画の場合 計画終了時 9%以上 計画終了時 3%以上
4年計画の場合 計画終了時12%以上 計画終了時 4%以上
5年計画の場合 計画終了時15%以上 計画終了時 5%以上
危機的状況の企業には支援判断
・再生可能性は・・
(1)売上を伸ばせるか、
(2)仕入が改善できるか、
(3)経費が圧縮できるか
(4)経営者の資質(やる気)
(5)メイン行であること
(6)地域に必要な企業であること
・P/L・キャッシュフローの改善すべき期間は
、債務超過解消10年以内(通常は3-5年)
有利子負債償還年数20年以内(旅館業30年:再投資可能内)
経営改善計画策定までのフロー
(フェイズ1)業界分析 マクロ環境分析
(業界紙・業界資料から業界として上向きか否か、同業他社比較 TKC指標を参考、Web検索で問題点抽出)
(フェイズ2)自社分析 SWOT分析 事業の選択と集中
(内部管理体制、組織としての仕組みが出来ているか、伸ばす強み・改善する弱み、不振部門の撤退も)
(フェイズ3)目標と計数計画の作成 予測P/L,B/Sの作成
(銀行での格付けランクアップ、繰欠解消、黒字化、CFの創出)
(フェイズ4)具体的行動計画の設定 実施項目・内容・時期の具体化
(経営改善計画の実効性を向上させるには、重要業績指標KPIを落とし込み、日々の企業活動の主役である従業員に計画を浸透させなければならない)
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Posted by 税理士の星野 at 04:32│Comments(0)