2008年03月10日

気候風土と地酒の味

 先日、宴会の席で「日本酒の甘口と辛口はどうして生まれたのか」が話題になりました。色々な説があり、楽しい論争が続きましたが、元長野県食品工業試験場長 馬場茂長野女子短期大学教授の次の一文が紹介され、一同納得し、次の話題に移りました。


(信州の気候風土と冬の食には、どんな関係があるのでしょうか?)

 善光寺平とか佐久平、松本平、それから南信の伊那・飯田地域など、それぞれの地形の特質や気候条件が、先人たちの知恵とともに独自の風土食を生み育てたと言えるでしょう。 お酒の質を食文化との関係で言うと、かつて善光寺平の方は野菜類の漬け物が多いため、これに合うように甘口の酒が多かった。佐久は鯉にイナゴ、お蚕さん、川魚ですが、ほとんどが甘露煮で、それを肴にとなると酒は辛口になります。松本平はお菓子類が食の文化をリードしてきたから、町中はやや辛口。郊外は漬物が主流なので甘口。甘辛が共存しているんです。諏訪は、ワカサギや鯉、鮒など、みんな甘露煮になっているので辛口に、佐久の昆虫類は甘くしますが、伊那では、代表的なザザ虫を醤油主体でしょっぱくするんです。そうすると酒は甘口。
 このように地域ごと、土地の食材・食文化に合った味、求められる味を杜氏と酒造経営者が造ってきた。時代とともにそれらは変わりますが、歴史的に風土と食文化には、密接な関係があったと言えますね。


(酒は典型的な地産地消)

 確かに、流通機関が発達しなかった時は、お酒は近郷近在で飲まれる量(石数)しか造られなかった。従って、地方の蔵元は地元の人々に選ばれ愛される味に仕上げなければ生き延びてこられなかった筈であります。


(私の味覚)

 私は、人との会話を楽しむ道具として酒を飲んでいますので、甘口辛口の違いも分かりませんが、馬場先生の言うとおり、それぞれ地域の料理により、甘辛の酒を飲み分け、調理人・杜氏さんに感謝しながら食事と会話を楽しんでいきます。


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Posted by 税理士の星野 at 04:04│Comments(0)
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